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DX人材内製化に関わるよくある悩み

現在、とても沢山の企業がDX 人材を採用し、自身の手でのDX 実現を目指しています。しかし、多くの企業がDX人材の採用もしくは定着における課題に直面しています。特に大手企業においては、DX 人材を採用して定着させるまでの間に多くの複雑な課題が存在しており、成功している事例は決して多くはありません。
人材内製化に向けて、アポロでは6つの課題を定義しています。

  • どんな人材を採用すべきか決められない
  • 採用するために何をすればよいのか分からない
  • 応募が来ても専門スキルを見抜けない
  • 採りきるための条件・環境等が分からず内定止まりになる
  • 育成や業務フィットがうまくいかず活躍しない
  • 様々な理由で退職する、定着しない

それらは、どれかだけを改善したとしても他のところで歪みがおき、採用人数が増えない、採用できても活躍できない、すぐにやめてしまうという悪循環に陥ってしまうことがよくあります。

DX人材内製化に関わる企業の悩み

 

6months×6steps Programによる変革

アポロは、複数の会社のDXを行う中で、DX人材内製化に向けた他の会社にはない一貫してサポートを行うためのスキル・技術・ネットワーク・リソースを有しています。
DX by ownでは、6ヶ月で6stepのProgramを実行することを通して、“採用できる状態”に進化し、7ヶ月目には変革後のDay1(採用の開始)を達成します。

DX人材・組織の内製化を実現

Step1: Assess Program

まずは、お客様の中で行っているDXに向けたロードマップ・取組・施策などのヒアリングを行います。
後続のProgramで変更案を策定する際のハードルを理解しておくためにも必須のプログラムとなります。
自己認識ベースではなく、他社比較や候補者評価を取り入れることでクリティカルなポイントを浮き彫りにするのが特徴です。当社保有の人材DBに登録している人材の中から貴社ターゲットに近しい人材をピックアップし、ターゲットの“生の声”を評価に反映させます。

Step2: Strategy Program

定義した自社に必要なDX人材を、採用競争市場の中でどのように取るのかを考えるプログラムです。対象者が働くことを決めるまでの気持ちの変遷を追ったジャーニーの形までイメージすることが肝要です。
取りたい人材 = 採れる人材ではありません。マーケット内のプール・希少価値等を把握した上で、具体的な採れる・採るべき人材を定義する必要があります。

Step3: Change Program

会社の魅力を変更していくプログラムです。制度変更・追加に繋がり、またコストにも繋がるため慎重さも必要ですが、この部分を変更せずに採用が成功することは考えられないので、変更を前提に推進します。
現状は、市場価値がそこまで高くない人材であっても職種名で報酬が高騰してる状況です。事業会社が市場価値が高い専門人材を採用する場合には、相当の額が必要となります。会社としてのガバナンスは担保しつつ、専門性の高い人材も採用できるような制度にしておくことが重要です。スキルアップを行うための体制・制度・働き方・ツール・オフィスなどは、他社と比較する上での前提条件として考えている人も多いです。まずは他社と並ぶための仕組みを作っていくことも大事です。

Step4: Branding Program

会社の魅力を発信するためのプログラムです。Step2とStep3で用意したコンテンツをインプットとして、新しいブランドイメージを形成します。
ターゲットが重要視しているポイントの中で、お客様が打ちだすべき、他社と差別化できるコンテンツは何かを探っていきます。
また、従来のイメージから刷新するために外部発信を積極的に行います。制作物やメディアへの反映はもちろん、ターゲットが集まりそうなコミュニティやイベントへの登壇・参加も検討します。

Step5: Selection Program

採りたい人を採りきるためのプログラムです。
Step1での内容を踏まえて、採用する or 社内で登用する人のスキルセットを定義します。次に、定義したスキル毎に評価基準を設定し、スキルを深ぼるための質問を用意することで、誰でも見抜くことができる仕組みを構築します。
また、アポロ社員が実際の面接の現場に出たり、その動画を見たりすることで、フィードバックを行いつつ、面接官のスキルアップ・標準化を行うこともできます。
(SkillAnalyzerを用いることで、スキル定義、評価基準の算出、面接官指導・サポートまで一気通貫でAIがサポートすることも可能です。)

Step6: Monitoring Program

採用した社員、作った制度などを定期的に見直し・改善していくためのプログラムです。従業員の評価や気持ちの変化をくみ取り、制度・環境・雰囲気などを常にアップデートしていきます。
Step5で評価したスキル定義を基に、実際の仕事における評価を実施します。必要なスキルセットを明確にかつ公表することで、新規候補者も期待値を把握し、活躍しやすくなります。
また、従業員の離職を防ぐために、従業員調査を定期的に実施し、エンゲージメントや各種満足度を計測することも大事です。特にDX人材は他の会社からの勧誘も多く、移ろいやすいため、1ヶ月に1回など高い頻度で定期的にモニタリングしていくことが重要です。

【事例】内製化組織構築のためのJV運営

アポロ株式会社とANA X株式会社は、2022年にデータベースマーケティングを主業とする「Orbitics(オービティクス)株式会社」を設立しました。プロパー社員による内製化に積極的ではない合弁企業も多いが、Orbiticsの場合は内製率が経営指標の一つに置かれています。
設立初期の段階では当社のメンバーが一定の支援を行いますが、専門人材の採用・育成やDX組織運営に関するスキル移転を行うことで、プロパー社員によるDX・AIサービスの提供が推進可能な体制への移行を進めています。
会社としてのケイパビリティ強化に向けて以下の6つの取り組みを実行しています。

ケイパビリティ強化に向けての6つの取り組み

採りたい・採れる人の定義

各採用職種(データサイエンティスト、ビジネスデザイナー等)ごとの採用要件を定義。採用候補者が重視するポイントを押さえた募集要項を作成しています。応募状況、面談進捗を見ながら短期スパンで募集要項を見直しを実施。また、職種ごとに親和性のあるチャネルを選定し、人材紹介会社・エージェントとの情報交換や、媒体のスカウト文の見直し等を定期的に実施しています。

採るための制度・環境構築

専門人材の採用に向けて、人事制度(特に評価と賃金)を新しく策定し、運用しています。
福利厚生制度や有給・特別給についても採用競争力強化を目的に適宜更新、追加などを行っています。

活躍させる体制・業務構築

メンバーの育成を目的として、職種ごとにテクニカルスキルの定義とレベル別の要件を整理。スキルアップのための指導に利用しています。
また、業務プロセス・レビューフローについて、DX、データ分析の特徴を捉えた体制を構築し、OJTを通じたコアスキル向上を推進しています。

刷新イメージの伝達活動

採用候補者をメインターゲットとして、Orbiticsの訴求ポイントを詰め込んだコーポレートサイト制作しています。
また、定期的に採用ブログやSNSでコンテンツを発信しています。

能力を見抜く能力作り

スキル定義をもとに、テクニカルスキルとヒューマンスキルを組み込んだ採用基準表を作成。選考基準の標準化を図っています。
また、面談にアポロ社員が同席することで、 DX・AI人材の選考スキルを社内に蓄積。スキルを見抜くとともに有望な採用候補者にはその人に刺さるポイントを伝えるようにしています。

離脱を防ぐ継続サポート

定期的な人事面談及び上司との1on1を実施。個人のキャリア支援を進めながら、個々人の意見を組織改善に反映しています。

この記事の著者

粟飯原 隆司

アポロ株式会社 マネージャー

2018年にアクセンチュア株式会社に新卒入社し、コンサルタントとしてマーケティング領域でのデータ分析・AI導入を担当。2021年にアポロ株式会社に入社し、データサイエンティストとして航空業界などを担当しつつ、HR事業の責任者を担う。HR事業では、企業でのピープルアナリティクスの導入支援、人事向けソリューション開発のPMなどを行いつつ、2024年7月より「全ての可能性がハナヒラク世界に。」をミッションとするアポロの子会社「株式会社ハナヒラク」の取締役を務める。

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