Project / Column

大手教育会社におけるデータ分析環境/体制構築に関する支援

  • 教育事業

背景

個別指導の学習塾事業を展開しているクライアント企業は、中期の経営目標達成のため、社内に蓄積したデータを活用した価値創出が急務であると認識されていた。

特に、生徒の学習成果、目標達成や教室運営の改善に繋がるデータ活用推進の必要性が強く求められていた。

しかし、クライアント企業内部に、データドリブンな戦略策定や戦術実行ができる組織・体制は存在しなかったため、データ活用推進を進める社内組織を立ち上げるべく本プロジェクトがスタートした。

課題

データ活用推進の必要性を認識しつつも、データ活用に特化した組織・体制やガバナンスが整備されておらず、社内にデータサイエンティストやデータの深堀分析ノウハウがないため、データ活用が進まない状況であった。

また、データ帳票の管理については、経営戦略室や、マーケティング領域の担当者がそれぞれ担当しており、データが体系的に整理されていない状況でした。担当者不在時には帳票出力対応が止まってしまうこともあり、見たいデータをタイムリーに確認することが出来ないという課題を抱えていた。

アプローチ

課題解決に向けた1歩目のアプローチは分析方針の決定である。クライアント企業内で既に持っているデータ、今後分析していきたいが取れていないデータを整理し、分析テーママップを作成した。

分析テーママップを元にクライアントとディスカッションし、分析テーマの優先順位を決定した。

優先度の高いテーマに対してチーム分けをし、クライアント内部で担当者をアサインし、分析案の企画書を作成した。データ分析の経験が豊富なアポロメンバーがディスカッションに参加し、企画書のブラッシュアップを支援した。

 

2つ目のアプローチは分析に必要な環境や体制の整備である。

分析に必要なデータが必要なタイミングで提供できる組織案を提示し、クライアントが既にデイリーで出力しているデータ帳票については、より効率的に帳票出力できるよう中間データ作成のSQL作成を実施した。

現場の教室長向けに中間データを活用した重要指標分析ツールも開発した。

教室ごとでしか効果的な戦略・戦術を描けないのが教室事業だというクライアントの想いをかなえるための補助ツールとして、教室長が自ら自教室の指標をあらゆる角度から分析し、仮説を立てられるように設計した。

「現場の教室長がいつも見ているデータをクイックに見られるようにしたい」というクライアントのニーズに応えるツールが完成し、現場の教室長の皆さんから大きな反響をいただいた。

 

3つ目のアプローチは分析結果の活用である。

データ活用は分析結果を得ただけではゴールとならない。

収集したデータを見て、そこから示唆を出し、メッセージを紡ぎ、対応施策を検討し、スケジュールを立てて施策を実行していくという一連の流れを実践することが重要である。

今回の支援の中で採り上げた分析結果は社内会議での施策実行の意思決定プロセスに乗り、データ活用のゴールに向けて動き出すことが出来た。

今回は、ピックアップした1つのチームでのデータ分析支援となったが、他のチームのご担当者様から「是非自分たちのテーマについても分析支援を継続してほしい」という大変ありがたいお言葉をいただいた。

成果

データ活用推進組織の立ち上げだけにとどまらず、実際にPL改善につながることが期待される分析テーマでのデータ活用が動き出し、クライアントの施策実行に貢献した。

また、データ分析環境を整備し、データ帳票の出力の効率化を実現した。さらに、必要なデータを明確にした上での中間マート構築の提案はAdHoc分析に対する対応力強化に貢献した。さらに、導入したツールにおいては、業務工数削減により年最低1000万円程度のコスト削減効果に加え、毎月のPDCAサイクル改善による増収効果も期待できるアウトプットになった。

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