SNSバズリによる増収効果算出の現状
商品の売上拡大に向けたマーケティング活動として、多くの企業がTwitter、Instagram、YouTube、Tik Tok等のSNSを活用して自社商品やサービスの告知を行っています。
今では商品・サービスだけでの競合との差別化が難しくなってきており、SNSをはじめとした販促策が益々重要になる中、その活用度は高まる一方ではありますが、時にバズリを狙ったSNS施策に多くの金額を投下するものの、その費用対効果や最適活用方法は明確になっていないことが多い状況です。
これにより「何となく増収効果が上がったように見える施策を継続実施する」「売上増加にあまり結びついていないが、多少のバズリが見られた施策を優先する」等々、施策への定性的・感覚的な善し悪し判断や不明確な費用対効果の算出が行われ、無駄な費用や工数が発生してもそれを改善できないという現状に多くの企業が直面しているのではないでしょうか。
これらの現状に対して、費用対効果を正しく試算し、効果の高い施策に金額投下を行うべく、SNS施策の可視化・定量化は欠かせないものとなってきています。
SNS定量化・可視化を阻害する要因とは
SNS施策の適切な評価に向けて、SNS定量化・可視化を行うことが必要になってきますが、売上に影響を及ぼす要素が多く、複雑に絡みあうことで、それらを困難にしています。
そもそも売上に影響を及ぼす要素が仮に1つであっても、その要素がもたらす売上影響額を正しく算出することは困難です。
例を挙げると
- Aさんというインフルエンサーを選定。Twitter、Tik TokどちらのSNSプラットフォームを選択するかにより、売上額が変わってくるが、それぞれを選択した場合の売上は予測困難
- Instagramを活用するものの、とりあげる(訴求する)商品やサービスのカテゴリにより、その売上額は異なってくる。とりあげる(訴求する)商品・サービスのカテゴリ毎に異なる売上を算出できない
、、等々
上記は、影響を及ぼす要素が1つの場合の例ですが、実際には個々の施策により、施策投下金額、選定するSNS媒体(Twitter、Tik Tok等)、施策内容、選定するインフルエンサー、、、、、等々が異なり、売上に影響を与える要素が多岐にわたりすぎてしまい、一層、SNS効果や傾向把握の定量化・可視化を困難にしているのです。
このように人間では精緻な計算や試算が不可能なSNSバズリ効果ですが、AIを用いることで、SNS指標やPOSデータ(EC、小売りチェーン毎、卸、商品SKU等)、SNS施策、等のビッグデータであっても容易に可視化・定量化が可能となります。
SNS施策の定量化・可視化に向けたステップ
SNSバズリ効果を正しく評価するために、まずは施策(SNS施策のみならず、棚替やポイントアップ等の営業施策等も含める)や曜日/カレンダー影響等、売上に影響を与える各要素と売上の推移を目で確認できるように、情報を一元化した上で「グラフによる可視化」を行います。
この可視化により、次のようなことが把握できます。
- バラエティ系小売チェーンでは、x月x日のSNS施策により、商品Aは施策後1週間は売上が2倍に上がった。一方、ドラッグストア系小売チェーンでは、施策後も売上は微増したに過ぎなかった。
- スーパー系小売チェーンBでは、棚替実施後3ヶ月間は売上が1.3倍程アップしている。
上記は一例ですが、このような可視化を実現するダッシュボードを構築し、施策の影響モニタリング、または過去施策の振り返りを行います。
ただし、このようなダッシュボード上で可視化を行うことで、ざっくりとした施策効果は把握できますが、そのグラフ間の詳細な関係性までも人間の目では完全に把握できないケースも多々あります。
そこで、AI技術を用いて「定量化」を行っていきます。これにより、グラフによる視覚効果だけでなく、定量化された数値の把握が可能となります。
この「定量化」でも、ある期間の売上増加が、施策によりもたらされたものなのか、曜日影響なのか、小売チェーンAの独自販促なのか、、、を切り分ることができないこともあります。そこで、今度はそれぞれの要素毎の売上影響を切り分けて「定量化」を行います。
これにより「施策効果により、xx円売上増加した」「曜日により、yy円の影響があった」「小売チェーンAの独自販促で、zz円の上乗せがされた」ということが明確になり、正確に「施策効果」だけの売上影響額を見積もれるようになります。
また、売上に影響を与える要素を選択するだけで、最も費用対効果が見込める施策を選択することも可能となります。
SNS施策の定量化に向けたアポロのサポートとは
アポロでは、アルゴリズム化の豊富な知識と経験を有する、データサイエンティストを多く抱え、売上へ影響を及ぼす要素が複雑に絡み合い、可視化・定量化が極めて困難な案件でも、対応するとともに、アルゴリズム化における過程において、データ特性を把握した上で売上影響を与える適切なデータの洗い出しや収集を行うコンサルティングを行い、実装に向けてクライアント様の負荷を軽減致します。
また、可視化・定量化のアルゴリズムが実装されたシステムやダッシュボードを揃えただけでは、「使い勝手が悪い」「入力するのが面談」等といった理由で社内での利活用が進まないことも想定されます。そのようなケースでも、ユーザー目線に立った、UI・UXを構築できるエンジニアにより、スムーズな利活用開始につなげることができます。
さらには、クライアント社内で「なぜ、このダッシュボードを使う必要があるのか」「このダッシュボードを使えば、このようなメリットがある」という動機付けから始まり、社内研修やワークショップを開催し、一層の理解向上に向けたご支援もさせていただきます。
これらの取り組みにより、弊社のお取引様である、ある消費財メーカーではマーケティング・広報部門におけるマーケティングノウハウ蓄積ならびに最適なコミュニケーション設計を可能にしただけではなく、各小売チェーンを担当する営業部の分析力・提案力向上にも寄与できました。
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