Project / Column

ノースアジア大学 様

【事例】実ビジネスで活躍できるデータ活用人材の育成を目指して

研修

  • 学術研究

MEMBER

ノースアジア大学 様

学校法人ノースアジア大学 経済学部 経済学科 専任講師 森本 敦志氏

アポロ株式会社

DS・AI Unit ディレクター 鈴木 悠司
R&D Unit データサイエンティスト 小池 開人
Consulting Unit アナリスト 矢作 晨和

イントロダクション

社会経済のデジタル化が急速に進む現代社会において、それらの変化に迅速かつ適切に対応していくことは、産業と密接なかかわりを持つ経済においても同様に不可欠である。その動きは大学教育でも求められており、経済データから与えられた課題を解決する有意義な知見を引き出すことのできる人材育成に向け、ノースアジア大学では東日本発となる経済データサイエンス(EDS)コースを設立した。

プロジェクトサマリー

背景

ノースアジア大学は急速に変化する社会の中で活躍できる人材育成のため、令和5年度より東日本発となる経済データサイエンス(EDS)コースを新設し、実務に即したデジタルマーケティング・データサイエンス領域での学びを始められた。

課題

新コースの設立にあたり、ビジネスの現場で求められるデータサイエンスを学ぶ講義の提供と、その専門性と第一線での経験を持つ教員の確保に課題を抱えていた。

解決

ビジネスの第一線で、データサイエンス・データ利活用・マーケティング課題の解決を推進してきたアポロが教材・講義の提供を行うことで、手法や知識だけにとどまらず、実務での活用を見据えた講義を実現した。

実務に即した講義を目指して

アポロ 鈴木:
令和5年度より、新たに経済データサイエンス(EDS)コースの設立をされたとお聞きしております。設立された背景を教えてください。

ノースアジア大学 森本氏(以下、森本):
「データ活用・技術の飛躍的進歩、Chat-GPTを代表とした革新的なテクノロジーが出現するなど、データサイエンスの価値が高まる中で、本学としてもそのような講義をスタートしたいという想いがあり経済データサイエンスコースを設立しました。」

鈴木:
新コース設立初年度となったかと思いますが、実際に講義の準備を進められていく上で、どのような課題があったのでしょうか?

森本:
「講師の確保が一番の課題でした。まずは専任の講師を探していたのですが、データサイエンスの教員自体が不足しており、また東北地方という地理的偏在から、求める人材が見つからない課題がありました。

鈴木:
その際に、現場感覚があるという点も大事にされていたのですか?

森本:
「はい。テキストをそのまま伝えるだけですと、従来通りのサンプルデータを使って演習するようなやり取りにしかならないと考えていました。知識だけにとどまらず、教えた内容を実社会でどのように役立て活用していくのかを、学生自ら体験してもらうことが非常に大事だと考えていました。」

鈴木:
そのような方だと大学ではあまりいらっしゃらないのですか?

森本:
「アカデミックな研究をされてきた先生ですと、応用研究のご経験がないと難しいかと思います。実社会でのデータ活用を説明するには、研究による知識・経験だけでなく、実際にビジネス・実社会のデータ活用で得られる肌感覚が非常に重要だと考えていました。データサイエンス領域を教える講師はいましたが、マーケティング領域となると、生徒に現場感を伝えるには実務経験がないと難しく、教員確保に苦労していました。その点でも、ビジネスの最前線でデータ活用やデジタルマーケティングの課題解決をされているアポロであれば、実現場で使えるスキルが身につくのではという期待があり、お願いをした次第です。」

 

実現場で活きるスキルの育成

矢作:
アポロでは、まさにデータサイエンティストとビジネスコンサルタントがともに案件に取り組んでいます。実際にノースアジア大学で教えられていた需要予測をクライアント企業様と実施したり、新コースの要となるデジタルマーケティング領域での支援などを行ってきました。
今回のご支援でも、実務さながらの講義を行うということを重要なキーワードとして講義の設計をさせていただきましたが、その点はいかがだったでしょうか?

森本:
「はい。まさに、我々が重視していた点であり、そこがアポロさんの一番特徴的なところであったと思いました。マーケティングやデータサイエンスの知識はもちろんですが、その領域だけにとどまらず、例えばプレゼンテーションのやり方・資料作成のルールといった、データサイエンスやデジタルマーケティングの分野を超えた社会で活きるスキルを生徒たちが学べたのではと感じています。私自身、自分の生徒たちがこれほど精度の高い発表を行うことができるようになるとは思っておりませんでした。この結果はアポロさんのおかげだと思っています。データサイエンスの講義では複数の社員の方に様々なテーマでご講演いただき、アカデミックな内容が社会でどのように使われているのかをお聞きできたことも良かったと考えています。」

矢作:
ありがとうございます。グループワークといった要素も取り入れさせていただきましたが、こちらはいかがでしたでしょうか?

森本:
「これまで講義内にグループワークを取り入れることが少なかったため、非常に新鮮でした。スケジュールから役割分担、タスク割りなど、実際のコンサルティングプロジェクトさながらの経験ができたと感じています。生徒達も各自で集まって作業を進めたり、ディスカッションするなど主体的に取り組む姿勢が見られました。ただ、今回は当校では初のオンラインによる講義だったため、一部意図が伝わりきらない、グループごとに議論が停滞してしまうなど、オンライン授業ならではの課題が見えた部分もあったかなと感じました。」

矢作:
そうですね。その際には現地にて、森本先生にもサポートいただきました。

森本:
「あとは、アルゴリズムに関する内容や、どのツールがどの分析に適しているのかといった点をもう少し入れていただけるとより充実した講義内容になったかと思います。ただ、そのような細かい点よりも、ビジネスで活用していく際の重要なポイントなど、より実務的な観点から講義いただけたので個人的には非常に満足しています。実践的に鍛えていただけたのかなと。(笑)」

生徒の反応※

  • データ分析は今まで経験したことがなかったが、初歩的なスキルを身につけることができた。
  • 色々なアイデアが出てきたので、ユニークな課題解決をしていきたいと感じた。
  • PowerPointの作り方、プレゼンテーションをする際に心がけた方が良いことなど将来にも役立つと感じる講義内容だった。
  • 特に最後のフィードバックの場ではマーケティングの場以外、それこそ大学での研究発表の場でも活用できそうな知識を学ぶことができ、とても有意義な講義だった。
  • 実際にプレゼンを行うことがいいアウトプットになった。

矢作:
このように、講義最終回に行ったアンケートでは、講義内容の評価や反省点など、正直なお声を多くいただきました。

森本:
「学生からの声にあるように、実践的な講義内容が非常に良かったと思っています。グループワークの題材はビジネスや実社会の第一線を体験できる素材でしたので、大学生の内に触れ、悩むことができたという経験は、学生にとって非常に貴重な機会になったかと思います。」

 

ノースアジア大学 様

https://www.nau.ac.jp/

1953年の開学以来、ノースアジア大学は、地域社会に根ざし、産業・発展と文化の向上に貢献することを使命とし、真理を学び、社会に役立つ知識を身につけることを重視しています。総合政策学部や経済学部経済データサイエンスコースなど新たな分野にも果敢に挑戦しており、先端技術や社会的ニーズに対応したプログラムを提供し、学生の可能性を引き出す教育を行っています。また、学生と教員の関係が密であり、アットホームな環境での学びが特徴です。

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